古典主義建築の最高傑作といわれる明治生命館は重厚かつ荘厳で素晴らしい
この建物も三井本館と同じコリント式の巨大な円柱が南面と西面に立ち並んでいる
足元に立つと、その厳かな重量感に圧倒される!
ギリシャ建築のオーダーの一つであるコリント式の特徴は円柱の柱頭がアカンサスの葉飾りで装飾されいる
オーダーはその他に、主にドーリア式、イオニア式ある 図はwikiより
上 ドーリア式とその混合式
中 イオニア式
下 コリント式
★コリント式の伝説
古代ローマの建築家ウィトルウィウスMarcus Vitruvius Pollio (fl. 1C. B.C.) が著わしたとされる『建築十書』によれば、(彼はアフリカ戦争時にガイウス・ユリウス・カエサルの下で勤務し、アウグストゥスに仕えたことが確認されている)
“むかし、コリントスで病気で亡くなった少女のお墓に、乳母が少女の生前愛用していた物を入れた籠をお供えし、雨露を防ぐようにとその上にタイルを置いた。やがて春になり、その籠を包むようにアカンサスの葉が繁った。。
ある時、通りかかった彫刻家カリマコスKallimachosが、タイルと籠を覆うアカンサスの渦巻く葉の美しい優雅な様子に惹かれ、そのさまを柱頭に彫刻した”ということです
ギリシャ国花でもあるアカンサスと言えば、モリスの壁紙を思い浮かべます
19世紀イギリスで活躍したアーツ&クラフツ運動で知られるウィリアム・モリスがデザインしたテキスタイルや壁紙で私たちにもなじみ深い
《アカンサス(Acanthus、ハアザミ、葉薊)はキツネノマゴ科ハアザミ属(アカンサス属 Acanthus) 、普通は特に観賞用に栽培されるA. mollisを指す。》
ところで、明治生命館は、まさに昭和金融恐慌のとき、昭和5年(1930年)9月に起工され、3年7ヶ月の年月を費やし、昭和9年(1934年)3月31日に竣工している。
皇居お堀端に建つこの堅牢な建物は、まるで国の威信をかけて造られたかのように立派。。
・平日はロビーまでなら見学できる
天井を見上げながら、三井本館はもと越後屋の跡地に建てられたが、ここ一等地にある明治生命館は、以前なにがあったのだろうとふと思った。。館内のパンフなどには記載されていない
検索かけてみると、なんと“火消し屋敷”の跡であったらしいことが判明。。
なるほど、損保・生保と火事の組み合わせに納得。
正確には“定火消屋敷”といって、江戸時代、幕府直轄の旗本が担当した消防組織のようです。広い屋敷には、いざ「火事だ!」という時にそなえて、臥煙といわれる火消し人足が大勢起居していたそうです。
@ところで、浮世絵で有名な安藤(歌川)広重は、なんとここ定火消屋敷が生誕地で、同心の子として生まれたそうです!
・東京名所八代洲町警視庁火消出初梯子乗之図(部分)、歌川広重(3代目)、明治8年(1875年)の出初式を描いた錦絵
《安藤広重は、1797年に江戸八代洲河岸(現在、明治生命ビルがある丸の内2丁目2番地)の定火消(じょうびけし)屋敷にて定火消し同心の安藤源右衛門の長男として誕生》
★ここ明治生命館は戦後、GHQにより、昭和20年(1945年)~31年(1956年)7月18まで接収されていたそうだ。
・会議室
アメリカ極東空軍司令部(FEAF)がおかれ、米・英・中・ソの4ヶ国代表による対日理事会(ACJ)の会議が、サンフランシスコ講和条約が発効され、GHQが廃止された昭和27年(1952年)までに、164回も開かれたそうです。
@そんなこんなの明治生命館、歴史の記憶が深く刻印されているようです