今日も暑くなるのかしら~⛅
イヤになるくらい草が元気がいい
前回に引き続き
NY,近代美術館に
展示されていた作品の中で
独特の世界観が漂う
アンドリュー・ワイエスの代表作がありました
(日本でも何回か展覧会が開催されていますが)
アンドリュー・ワイエスの
≪クリスティーナの世界≫
1948年
テンペラ
MoMAにある
≪クリスティーナの世界≫は
エレベーターを昇って
5階に到着したかと思うと
突然
幅の広い通路にデ~~ンと飾られていて
ほんとビックリしましたが
同時に
ワイエスの代表作に
心構えもなくひょっこり出会えて
戸惑いながらも感動でした!
(大きな作品はガラスでカバーされていて
写真に撮ると反射してしまいました)
作品のできた背景は
アメリカ北東部メイン州クーシングにある
夏の別荘に訪れていた
ワイエス家は
近所に住むオルソン姉弟と親しくしていた
1940年~1968年
長年にわたりモデルとして姉弟を描いてた
オルソン家の障害を持つ姉のクリスティーナと
漁師をしていた弟アルヴァロ・オルソン姉弟には
ワイエス自身が
小さいころから虚弱体質で
家庭教師や父親から教育や絵を学んでいた
という生い立ちや境遇もあり
共感を覚えていたらしい
オルソン家は
名まえからすると
北欧からの移民かしら?
ワイエスは
死後発覚するが
フィンランドドイツ系の女性
ヘルガーも描いていた
(男爵イモの方思い出しました)
ある夏の終わり
ペンシルバニア州フィラデルフィアのチャッズ・フォードから
メイン州クーシングの夏の別荘にやってきていた
ワイエスは
姉のクリスチーナが身をよじりながら
やせ細った両腕で
寂寥とした草原の大地を
掴み
足を引きずり這いながら
丘の上の自宅へ戻ろうとしている
その懸命な姿に心を打たれ
創作意欲を掻き立てられたという
クリスティーナは
手足に麻痺障害がありながらも
他人に頼らず独立しようと懸命に
健気げにつつましくしかし逞しく生き抜いていた
そんな美しい生命力に溢れる姿を
ワイエスは
感動をもって眺め作品に描き留めた
そんな作品らしい
クリスティーナはこの時55歳という
髪には数本の白髪や
緻密精細克明に描かれた草原の草一本一本を
目の当たりにし気が遠くなりました~
ワイエスの凄まじい描写力に驚嘆する!
(全然うまく撮れてない)
アンドリュー・ワイエス
(Andrew Wyeth,1917年7月12 - 2009年1月16日)
アラ、驚き!
今、年譜打ちながら気が付いたけど
今日は7月12日
アンドリュー・ワイエスのお誕生日だわ
1917年生まれということは
生誕100周年ですね!
作品に登場する別荘のあるメイン州のクーシングを
Googleマップで
位置関係確認しましたが
ボストンからさらに北上した
冬場はとても寒い厳しい気候のところかな
ワシントンD.C.からボストン行きの
アムトラックに乗れば
フィラデルフィアも経由しNYも通りボストンまで行けるかな
丘の上のオルソン家は観光名所になっているようです
ところで
作品のモデル
クリスティーナ・オルソンは
見た通りの障害を持つ女性ですが
以前はポリオじゃないかといわれていたけれど
最近の研究結果では
シャルコー・マリー・トゥース病らしい
シャルコー・マリー・トゥース病
Charcot-Marie-Tooth disease: CMT
聞きなれないCMTとは
ポリオは罹った時のままで成長しても病状は変わらないらしいですが
CMTとは年とともに病状も進むようです
”下腿と足の筋萎縮と感覚障害を特徴とし
進行すると上肢や手にも障害を生じる
神経原性筋萎縮である”
クリスティーナは自立心が強く
車いすの寄付の申し出を断っていた
という情報もあり
あるがままの自分を受け入れ
精一杯生きる喜びの方を選択したのでしょうか
この作品≪クリスティーナの世界≫は
MoMA初代館長アルフレッド・バーが
マンハッタンのマクベス画廊で観て
即1800ドルで購入したらしい
バーはこの作品をアメリカ美術の象徴として位置づける
その後人気の出てきた作品は
外部に貸し出されることは稀だった、という
ところが
なんと
日本人なら忘れることのできない
東日本大震災の起こったとき
2011.3.11
福島近代美術館に貸し出されていたという!
たまたま
ひょんなことから検索し現れた画面に
≪クリスティーナの世界≫が
東日本大震災の起きた時
2011年3月11日に
なんと
大震災のあった福島の近代美術館に
貸し出され
ちょうど
アンドリュー・ワイエス展が開催されていたという!
慌てた
NYでは
放射能のこともあるし
MoMAからは
展覧会を即刻中止して
作品を返還してほしい、という
厳重なお達しがあったという
ヘエッ~~!?
そうだったの!?
そんなことがあったのか
それは知らなかったわ~
と
「クリスティーナの世界≫の検索で
たまたま開いた画面をビックリしながら
読み進んでいきました
前に
バイオリンのストラディバリウスが
まさに3.11の時
東京にあり修繕中だった、と
知ったこともあり
そういうこともあるんだ、と
最後まで読んでいくと
なんかオカシイ?
イヤだ
この話ってフィクションでしたワ~
原田マハさんという方の
『中断された展覧会の記憶』という小説でした!
(原田マハさんは初めて知りました)
AHAHA~
まあ、人騒がせな
というか
自分が
おっちょこちょいなだけですけどね
いや~フィクションて
何でもありで
ある意味コワいですね
(ちなみに福島近代美術館というのはないらしい)
2017.2 NY近代美術館にて